スチール板の種類と加工の全て

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2026.03.16

スチール板の基礎知識:選定と加工のポイント

スチール板は、優れた強度と加工性の高さから、建設資材や自動車部品、家電製品、さらには個人のDIYまで幅広く活用されている金属素材です。鉄を主成分とし、炭素量や表面処理の違いによって多種多様な特性を持つため、用途に合わせて最適な種類を選ぶことが、製品の品質や耐久性を左右する重要なポイントとなります。

KUMASUNでは、規格サイズからカットする「定型加工」と、複雑な形状や曲げ加工に対応する「オーダー加工」の2種類をご用意しています。お客様の用途に合わせて最適なスチール板と加工方法をご提案いたします。初めての方や個人のお客様も、1個からお気軽にご注文いただけます。

定型加工における「スチール板の表面・仕上げの種類」

スチール板は、製造工程(熱間・冷間)や、その後の表面処理(メッキ・皮膜)によって、見た目や耐食性、塗装のしやすさが大きく異なります。例えば、屋内外の設置環境や、最終的に塗装を行うかどうかによって、選ぶべき材質は自ずと決まってきます。ここでは、一般的に流通している代表的なスチール板の特徴を解説します。

 ※もし、以下の定型加工にない特殊な材質や仕上げ、複雑な加工をご希望の場合は、諦めずにオーダー加工の見積依頼からお気軽にお問い合わせください。複雑なカットや板曲げにも対応可能です。

◉ボンデ(SECC

電気亜鉛めっきを施した後、表面をリン酸塩処理(ボンデ処理)した鋼板です。表面が非常に滑らかで、塗装の密着性が極めて高いのが最大の特徴です。

加工性にも優れ、指紋がつきにくい特性もあるため、精密な仕上げが求められる製品によく使用されます。

【用途事例】

家電製品の筐体、事務機器(デスク・キャビネット)、配電盤、看板のベース板、自動車のインナーパネルなど。

【板厚】

0.8mm / 1mm / 1.2mm / 1.6mm / 2mm / 2.3mm / 3.2mm

◉HOT(SPHC

熱間圧延鋼板(ねっかんあつえんこうはん)[SPHC]のことで、高温で圧延された際に生じる「黒皮(くろかわ)」と呼ばれる酸化皮膜に覆われているのが特徴です。

スチール板の中では比較的安価で、厚みのバリエーションが豊富ですが、表面が粗く寸法精度はやや低いため、精密度より強度が重視される箇所に適しています。

【用途事例】

建築部材、土木資材、大型機械のフレーム、重量物のベースプレート、無骨な質感を活かした什器など。

【板厚】

1.6mm / 2mm / 2.3mm / 3.2mm / 4.5mm

SS400

SS400は「一般構造用圧延鋼材」として知られる、JIS規格の中で最もポピュラーなスチール板です。最大の特徴は、「どれほどの力で引っ張られても耐えられるか」という頑丈さの基準が、数値で明確に保証されている点です。

これに対し、前述のHOT(SPHC)は「加工のしやすさ」を重視しているため、厳密な強度の決まりはありません。そのため、複雑に曲げて形を作るならSPHC、重いものを支える土台や柱など、絶対に壊れてはいけない「強さ」が最優先ならSS400、というように使い分けられます。

【用途事例】

 ビルや橋梁などの建築部材、大型機械の土台(ベースプレート)、船舶や車両のフレーム、土木資材のブラケットなど、安定した「頑丈さ」が求められる重要なパーツに広く採用。

◉酸洗(SPHC-P

HOT(熱間圧延鋼板)の表面にある酸化皮膜(黒皮)を、酸の液に浸して除去した材料です。黒皮がないため表面が滑らかで、溶接や塗装がしやすいのがメリットです。

加工後の見た目も美しく、HOTよりも高い精度での加工や塗装が必要な場合に選ばれます。

【用途事例】

自動車の足回り部品、産業機械のカバー、プレス加工品、曲げ加工が必要な厚手のブラケットなど。

【板厚】

 1.6mm / 2mm / 2.3mm / 3.2mm / 4mm / 4.5mm

◉SPC  ミガキ(SPCC)

冷間圧延鋼板(れいかんあつえんこうはん)[SPCC]のことで、常温で圧延されるため表面が非常に美しく、厚みの精度も極めて高いスチール板です。

加工性も抜群ですが、油を塗らないとすぐに錆びてしまうため、加工後には必ず塗装やメッキなどの表面処理を施して使用するのが一般的です。

【用途事例】

精密機器のパーツ、スチール家具、自動車の外装板、模型材料、DIY用の小物パーツや工作材料など。

【板厚】

  0.8mm / 1mm / 1.2mm / 1.6mm / 2mm / 2.3mm / 3.2mm

◉亜鉛(SPG-ZY)

溶融亜鉛(ようゆうあえん)めっきを施した鋼板で、一般的に「トタン」や「ガルバリウム」と並んで耐食性に優れた素材として知られています。

めっき層が厚いため錆に非常に強く、屋外の厳しい環境下でも長期間使用できるのが大きなメリットです。

【用途事例】

屋根材、外壁材、ダクト、空調設備、ガードレール、屋外用物置の部材、農業資材など。

【板厚】

 0.8mm / 1mm / 1.2mm / 1.6mm / 2.3mm / 3.2mm

◉ZAM(ザム)・K-MAG(ケーマグ)

亜鉛・アルミニウム・マグネシウムの3元素から成る高耐食合金めっき鋼板です(ZAM:日本製鉄/KOBEMAG(K-MAG):神戸製鋼所)。

従来の亜鉛めっきよりも数倍から十数倍の耐食性を誇り、特に切断面の錆びにくさが画期的です。

長寿命化が求められるインフラ設備や、沿岸部などの腐食しやすい地域に最適です。

【用途事例】

太陽光発電の架台、道路資材、農業用ハウス、沿岸部の施設設備、鉄道関連部品など。

【板厚】

 0.8mm / 1mm / 1.2mm / 1.6mm / 2.3mm / 3.2mm


 

スチール板加工の際の重要な注意点

スチール板は、高い強度を持ちながら切断や曲げ、溶接が可能な非常に優れた金属ですが、その性質上、加工時には「錆」「熱」「安全性」に配慮する必要があります。適切な取り扱いを行わないと、製品の寿命を縮めたり、怪我の原因になったりすることもあるため、以下のポイントを必ず確認しておきましょう。

注意点  理由と対策
錆(酸化)への対策 スチール板は水分や酸素に触れると、短時間でも錆が発生します(特にSPCや酸洗)。鉄の成分が空気中の酸素と反応して酸化鉄へと変化するためです。加工後は速やかに塗装、メッキ、または防錆油でのコーティングを行ってください。指紋の脂分でも錆びるため、手袋の着用も有効です。
加工時の「バリ」と怪我の防止 カットや穴あけ加工を施した直後の断面には、鋭利な「バリ」が必ず発生します。金属を切断する際の摩擦やせん断応力により、端部がささくれ立つためです。加工後はヤスリや面取り機を使ってバリ取りを徹底してください。作業時は必ず防刃手袋を着用しましょう。
熱による歪み(ひずみ) 溶接やレーザーカットの際、スチール板が反ったり波打ったりすることがあります。金属は加熱されると膨張し、冷えると収縮する性質があるため、局所的な加熱が内部応力を生むからです。過度な加熱を避け、点付け溶接を多用したり、冷却時間を設けたりする工夫が必要です。薄板ほど歪みやすいため注意してください。
表面のキズ保護 加工工程(曲げや搬送)において、スチール板の表面に擦り傷がつくことがあります。鋼板同士の接触や、加工機械の金型との摩擦が原因です。表面美観を重視する場合は、保護フィルム付きの材料を選定するか、加工台に保護シートを敷くなどの対策を講じてください。

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